ひとり歩きを始めた企業 4
葉氏なくしては広東省の繁栄はありえなかったといわれ、改革開放の象徴的人物の一人となっています。
しかし、彼にはここ数年、北京の保守派(計画経済派)との対立の噂が跡を絶ちません。
天安門事件以後、勢力を盛り返してきた保守派にとって、経済改革のスピードアップと地方の自主権の拡大を強く主張する葉氏は煙たい存在になったのです。
記者らは広東省人民政府に彼を訪ねました。
葉氏は当時66歳、その年齢よりも若干老けて見えたそうです。
左耳には補聴器を付けていました。
彼は記者らを愛想よく迎えてくれました。
日本のテレビ局の取材はこれが初めてだといいます。
彼は記者の質問をメモにとりながら熱心に語ってくれました。
「私が改革開放政策のなかで特に力を入れたのは企業の活性化です。
これまで企業が独自に経営を管理し、自己発展できるような政策をとってきました。
つまり企業に自分で事を処理する権限を与え、その能力を育てるようにしてきました。
昔のようにすべて上に計画され、コントロールされ、ほんの少しの融通性しか与えられないというシステムを打ち破ったのです。
改革開放政策は国を強くする道です。
これは誰か一人の意思でやっていることではありません」。